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山崎剛太郎

自己紹介 -Kotaro Yamasaki-

 

私は94歳を超えた。映画字幕翻訳者として、もはや現役ではない。カルネ監督「港のマリー」の字幕をスタートに、半世紀に亘り700本に及ぶフランス映画を手がけてきた。映画が私の人生をどれほど豊かにしてくれたことか。そればかりではない。フランス語の会話に不自由しない私は来日した多くのフランスのシネアストと親しく語り合う機会に恵まれた。

 

たとえば、俳優としてはジーン・セバーグ、マルチン・キャロル、ジェラール・フィリップ、アラン・ドロン、ミシェル・ピコリ、シャルル・ヴァネル、ジャンヌ・モロー、そして監督では、アンドレ・カイヤット、ルイ・マル、クリスチャン・ジャック、フランソワ・トリュフォー、ルネ・クレール。彼らは世界的に高名にも拘わらず、誰もが常に謙虚で、穏やかな人柄で日本のことを少しでも知りたいという友情溢れる前向きな姿勢で話をしていたことが私の心を打った。

 

ここで一つ申し添えたいのは、1979年にフランス政府から芸術勲章シュヴァリエを、さらに1990年には同じ勲章のオフィシエを叙勲するという栄誉に浴した。私の喜びは当然のことながら、日仏文化の交流(私は日本映画の仏訳字幕も手がけている)に多年尽くしてきたが、その陰の存在である一翻訳者を決して忘れてはいないフランスという国への敬意はさらに深まるばかりである。

翻訳した数多くの映画の中では、「大いなる幻影」(完全版)「欲望のあいまいな対象」「マリアへのお告げ」「ゲームの規則」「ダントン」「インディアソング」がすぐ記憶に浮かび上がる。DVDで「モリエール・コレクション」刊行の際、私が10数名の翻訳者を選び、その監修の任にあたったのは私にとって忘れがたい大きな仕事であった。映画翻訳こそは映像による外国との文化交流の大任を果たしているのである。協会の皆さんが翻訳文化の担い手であるという自負心を抱いてさらなる活躍をなされることを念願しながら、このペンを擱こう。

代表作

 

「スワンの恋」 Un Amour de Swan

公開年  1984年
製作国  フランス、西ドイツ
監督   フォルカー・シュレンドルフ
配給  ヘラルド・エース、ヘラルド

 

「ゲームの規則」 LA REGLE DU JEU

公開年  1982年
製作国  フランス
監督  ジャン・ルノワール
配給  フランス映画社

 

「ボーマルシェ/フィガロの誕生」 BEAUMARCHAIS L'INSOLENT

公開年  1997年
製作国  フランス
監督  エドゥアール・モリナロ
配給  セテラ

 

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