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人生の特等席

イーストウッド、82歳。

このベテランだけが伝えられる人生の景色がある。

しわがれ声で語られる、幸せのかたちがある。

 

  

スカウトマン、娘1人。キャリア最後の旅に出る。

『許されざる者』と『ミリオンダラー・ベイビー』で、2度にわたってアカデミー賞作品賞と監督賞のダブル受賞を果たし、2008年『グラン・トリノ』では主人公の壮絶なラストで世界を驚かせた。そして2012年『人生の特等席』――。この作品で、イーストウッドが見せるのは、誰にでもある、山あり谷ありの人生だ。しかしそれは、82年を生きぬいてきた、今この時の彼だからこそ伝えられる、かけがえのない人生の風景でもある。
  

監督は、イーストウッドが生涯ただひとりの弟子と認めたロバート・ロレンツ。愛弟子の初メガホンに、人生を投影した演技で見せる一人の男の人生、そして “特等席”から見える胸にしみわたる風景――そのすべてに目を凝らしたい。共演は、娘ミッキー役に『ザ・ファイター』『魔法にかけられて』のエイミー・アダムス、父と娘をつなぐ若きスカウトマン、ジョニー・フラナガンに『ソーシャル・ネットワーク』『TIME/タイム』のジャスティン・ティンバーレイク。ガスの古い友人でボスでもあるピート・クライン役にジョン・グットマン、ブレーブスのスカウト主任補佐フィリップ・サンダーソン役にマシュー・リラード。

   

第25回 東京国際映画祭 公式クロージング作品<2012年10月20日(土)〜2012年10月28日(日)>

STORY

メジャーリーグ最高のスカウトマンといわれたガス・ロベルは今や、老いぼれの烙印を押されようとしていた。データ野球全盛の時代に、コンピュータも使わなければ、メールもしない、昔ながらのスタイルを貫く男。素直に感情を表現することが苦手で、話し方はぶっきらぼう、いつも気難しげな表情を浮かべている。そんな、時代に取り残されたような男を、球団はお払い箱にしようとしていた。視力が衰え、目がかすみ始めたとはいえ、まだまだスカウトマンとしての自信と誇りは失っていない。球団との契約は残り3ヶ月に迫り、ガスはキャリア最後のスカウトの旅に出る。手を貸したのは、父との間にわだかまりを感じつづけてきた一人娘のミッキー。妻を早くに亡くし、男手ひとつで育てようとして、育てられなかった娘と、思いがけず旅をすることになった不器用な父。初めて向かい合った父娘が、旅の終わりに見つけたものとは――?

  

CHECK

「俳優業はもうしないと思ったことがあったが、今回は面白い役がまわってきたからやってみた。ストーリーが気に入った。この脚本の素晴らしいところは、皆が共感できること。自分の仕事に熱中して子供と多くのことを共有できなかった父親は多いはず。仕事上のステップアップのチャンスはあるのに、父親のために全部投げ捨てられる娘はどれだけいるだろう?多くの子供は、自分の生活を守って、親をないがしろにしてしまうかもしれない。この映画は、親と子が持っているジレンマがテーマだから、全世界の人たちが共感できるものだよ」

 

主演 クリント・イーストウッド

 

「この映画には人生にぶつかる重要な変化の時期にどう対処するかを描いている。誰でも人生のある時点に来ると、物事の優先順位を考え直さなければならなくなる。キャリア、友情、そして家族をどれだけ重視してきたかをね。」

監督 ロバート・ロレンツ

COMMENT

2009年公開の「グラントリノ」を撮り終えたあと、イーストウッドは俳優引退宣言をした。そのイーストウッドが82歳の今、新作「人生の特等席」で主演を演じた。なんとも胸が熱くなる。その翻訳の仕事がワーナー映画から回ってきた。制作担当の松崎さんが、人生の終焉を迎えつつあるイーストウッドの映画なら、もう還暦もかなり超えた菊地浩司にピッタリだろう(笑)と仕事を回したのだ。

 
昨年僕はブラッド・ピット主演の「マネーボール」を翻訳した。アメリカ・メジャーリーグのGMがセイバーメトリクスという近代的統計学的手法を用いて選手をスカウトするというストーリー。そして今回の「人生の特等席」は、長年の自分の経験と勘を信じる定年間近なスカウトマンの話。まるで真逆。どっちの言い分にも惹かれるものがある。さらに面白いのは「マネーボール」は昨年の東京国際映画祭のクロージング作品に選ばれ、今年は「人生の特等席」が選ばれた。小生2年連続クロージング作品に字幕を付けた。光栄である。

 
イーストウッドの作品は何本か翻訳してる。特に印象深いのは1993年公開の「ザ・シークレットサービス」。まだ現役バリバリ60代のイーストウッドはカッコよかったな。小生もまだ60代、ちょっとあちこちパリパリ痛んできたが、イーストウッド張りに頑張るか。

菊地 浩司

クリント・イーストウッド作品

インビクタス/

負けざる者たち

  グラントリノ  ミスティック・リバー

ザ・シークレット

サービス

     

予告編

人生の特等席 TROUBLE WITH THE CURVE

監督

ロバート・ロレンツ 

脚本

ランディ・ブラウン

製作 クリント・イーストウッド、ロバート・ロレンツ、ミシェル・ワイズラー
出演 クリント・イーストウッド、エイミー・アダムス、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・グッドマン ロバート・パトリック マシュー・リラード
配給 ワーナー・ブラザース映画
公開日 11月23日(金)全国ロードショー
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/troublewiththecurve/

Ⓒ 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

 

字幕翻訳:菊地浩司

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