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第1回 社長としての仕事

前トヨタフランス社長 足立誠一郎 × 字幕翻訳家 菊地浩司

第1回 社長としての仕事

 

足立さんと浩司さんは何と正真正銘の従兄弟というご関係。

足立さんの奥様、純子さんを交えて久しぶりの再会となりました。

地元への貢献

菊地:

アッシュウセ経営大学院(HEC)の日本代表とはすごいですね。

 

純子さん:

アッシュウセ経営大学院(HEC)の本体はパリ商工会議所なんです。ここは約32万の企業が登録しているヨーロッパで一番大きい商工会議所で、企業の設立や学校の経営とかイベントとか、企業を助ける色々な活動をしているんです。

 

足立:

妻のおかげで僕はフランスのアッシュウセのアドバイザリーボートメンバーになれたんですよ。卒業生にはエアバスの会長とかCarrefour(カルフール)の社長、フランス国鉄の総裁なんかがいて、とにかくすごい人たちばかりなんですよ。ハーバードビジネススクールの学長、プリンストン大学の教授、清華大学の偉い先生なんかもいたかな。年に2回その人たちと並んでアカデミックな話をするんですけど、話が難しすぎるからついていけなくて。話題がもっと庶民的な話とか、ランチとかディナーの席になると僕がある程度支配できるんですけどね(笑)。

第1回 社長としての仕事

菊地:

フランスに行ったのは何年前くらいだっけ?

 

足立:

1988年〜1992年と1998年〜2003年の2回。合わせて9年半かな。

 

菊地:

長いね!フランストヨタの社長になったのはいつ?

 

足立:

2回目に行ったときですね。

 

菊地:

パリに住む前にはどこにいたの?

 

足立:

トヨタの事務所があったので最初の3年間はベルギーにいました。カンブルの森の近くで、ブリュッセルの西南にあるイクセルという所。森に囲まれていましたね。

 

菊地:

その次がパリ?

 

純子さん:

駐在としては2回目がフランスですね。ベルギーのあとのフランス駐在が4年、そこから出直して98年から2003年まで5年半いました。

思い出のバランシエンヌ

足立:

僕の想い出はパリよりも北フランスのバランシエンヌですね。人口は30万人くらいでリールからは東に70キロくらい行った所なんだけど、そこにヤリス(日本のビッツ)の生産工場を作ったんですよ。そこで1700人の従業員を雇って。そしたら25%だった失業率が、僕らが入ってしばらくして14%に下がったんです。地元の人にはものすごく感謝されましたね。経済が低迷していたところに入って貢献したわけだから。

 

菊地:

そこでストがあったんだけ?

 

足立:
それはシェルブール。雨傘で有名な。

 

菊地:

「シェルブールの雨傘」だ。(※カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した1964年のフランス映画)

 

足立:

そう。知ってるのはアメリカ人と日本人だけでフランス人は誰も知らないけどね(笑)でも観光客が「傘はどこに売っている?」としきりに聞くもんだから、地元の人が観光の一環で傘屋を始めて。エンブレムに「これが本当のシェルブールの雨傘です。」って書いてありましたよ。 

第1回 社長としての仕事

菊地:

そこでは何をやっていたの?

 

足立:

シェルブール港では車や部品の荷揚げそして部品センターをしていました。でも経済性を追究すると今ひとつ競争力がなかったから、800キロくらい離れたプザンっていう別の場所に変えたんです。でも当時53人の従業員がいて、その人たちが引っ越しはやだ!とモメてね。最後にストになってしまった。誰もなかなか来てくれなくて。だから飛行機をチャーターしてその人たちを連れてきて、プザンの市長にお願いして徹底的に2日間案内してもらったんですよ。そしたらそのうちの9家族が移動してくれて、残った人たちには地方政府と協力して一生懸命地元で仕事探しのお手伝いをしました。

 

菊地:

すごいフットワークだね。

 

足立:

だから新聞にもしょっちゅう出てました。一方では仕事を作ってくれる人、一方では失業を作る人という風に取り上げられて。3年くらいの間にその2つを経験しましたね。

 

菊地:

そんなこんなで政府の人たちと知り合いになったの?

 

足立:

土地を買って工場を作って部品を買って建築をして・・・とやってると、色々許認可の問題が出てくるんです。だから地方政府の人、県の人、行政の人たちの協力ナシでは何も進まないんですよ。当時お世話になったバランシエンヌの市長は、サルコジが大統領になったときに大蔵大臣になって、今はフランス政府のナンバー3。同じ釜の飯を食った仲間、という感じですね。

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