●字幕翻訳者 戸田奈津子
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●字幕翻訳家 菊地浩司
●字幕翻訳者 戸田奈津子 第1回 字幕翻訳をはじめた頃
2007.04.28
字幕翻訳者:菊地浩司(代表作「スパイダーマン」シリーズ)
字幕翻訳者:戸田奈津子(代表作「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ)
字幕翻訳者:菊地浩司(代表作「スパイダーマン」シリーズ)
翻訳者が翻訳者にインタビュー。
だからこそ翻訳のことは抜きにして、“戸田奈津子”にせまってみたい。
[英語初体験は来日会見]
菊地:
戸田さんといえば、よくスターが来日したときに隣についているけど、ああいう通訳の仕事はいつから?
戸田:
一番初めは「アリスのレストラン」(’69)という映画で、プロデューサー、ヒラード・エルキンズが来日した時。アルバイトでお世話になっていた水野晴郎さんに、突然ひっぱりだされたのが始まり。
「あなたやりなさいよ!」って。あの人強引だから(笑)でも人前で英語を話したのが、この記者会見で始めてだったの!
すごく落ち込んで…あまりにもひどい英語だったから。
[字幕屋はネクラ!?]
戸田:
そしたら次にまた(通訳の仕事を)頼まれたの。「屋根の上のバイオリン弾き」で。英語が下手なのに…。なぜ頼まれたか、あとで分かったんだけど、それは映画を知っていたから。映画の事を知っていたら、英語が話せなくてもある程度通じるじゃない。それから、通訳の仕事がどんどん増えて…。字幕の仕事より通訳が10年先行する結果となったのよ。字幕ができるなら英語が話せて当然って思われてたわけだけど、大きな誤解よね。
菊地:
そうそう。話すのが好きじゃないから翻訳をしてるのにね(笑)
戸田:
そうよ。みんな根暗なのにねぇ〜。
[昔はよかったね]
戸田:
やむを得ず通訳を始めることになって、英語も下手だし嫌だったんだけど、そのうちに、いかに来日する方々が素晴らしいかっていうのが分かってきたの。相手はちょっとやそっとじゃ会えないし、世界のトップなんだから。すごい人達に会える事がだんだん刺激的になってきたわけ。
菊地:
当時からサインとか写真とかもらったりしてた?
戸田:
もちろん、山のようにあるわよ。整理してないから段ボール箱に。
(現場一同「えぇ〜!!」とオドロキ)
菊地:
すごいね。それはすごい財産だね。記者会見のあとは食事に行ったり?
戸田:
昔はよく行ったわね。一度日本に来ると、1週間位滞在するのが当たり前だったし。大抵東京に2〜3日、その後大阪で記者会見をして、京都で遊びましょう、というのがパターンだったかな。
菊地:
一週間!?ずっと付き添うんだよね?
戸田:
今はありえないけど、のんびりしてたのね。一週間一緒に食事をしたりすると、自然と付き合いが深くなって、リチャード・ギアとかもそうやって仲良なったわけ。
菊地:
今はどんな感じなの?
戸田:
時間が全然ないのよ! この前の「スパイダーマン3」の記者会見の時は、1日しか滞在しなかったから私語も交わせないくらい忙しかった。
“Hello, goodbye”ですよ! トム(トム・クルーズ)なんて、この前は10時間しかなかったのよ。慌しくて、ちょっと残念です。
[ブラピは“どこにでもいるお兄ちゃん”]
菊地:
アテンドして辛かったことは?
戸田:
うーん…あんまりないわね。みんな素敵な人達ばかり。まぁ、1000人会って5人位は、いばってるヤナ奴もいるけれど、1000人会って5人しかいないってすごい確率でしょ?
菊地:
その5人って?
戸田:
それは言えないですよ!(笑)
菊地:
じゃあ、この人はよかった!っていうのは?
戸田:
みんないい人なのよ。始めはいろんな噂を耳にして緊張することもあったけど、実際会うと全然違うの!私の英語は下手だけど、ありのままの私を見せることにして…。アテンドをする上で大事なのは、目線を同じにすること。スターが来ると、始めはどうしても崇めちゃうけど、それじゃだめ。例えば、ブラッド・ピットも一目見るとカッコいいけど、1時間一緒にいてごらんなさいよ。 “
ちょっと
かっこいい
お兄ちゃん
”になるんだから(笑)
菊地:
(笑)なるほどね!
戸田:
この前、「ホリデイ」で来日したジュード・ロウもそう。映画では暗い役が多いけど、実際はさっぱりして明るいイギリスのナイスガイ。イギリスの人は舞台経験がある方が多くて、地に足がついててとってもいいのよね。とにかくありのままの自分で付き合うことです。
(
第2回に続く
)








