●前トヨタフランス社長 足立誠一郎
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●字幕翻訳家 菊地浩司
●前トヨタフランス社長 足立誠一郎 第2回 フランスに拠点を置く
2008.11.02
[フランスでの生活]
菊地:
二人はどこに住んでいたの?
足立:
我々はリールという所に住んでいました。北の人たちってものすご〜く暖かいんですよ。
その人たちとは本当にいいお付き合いをさせてもらいました。
菊地:
リールってベルギーに近いんだっけ?
足立:
ベルギーまで車で15分くらい。そこでロータリークラブに入ったんです。今は国家保安警察のトップで、当時は副知事だった人が誘ってくれて。ロータリークラブのメンバーを通じて人の枠が広がりましたね。二人ともフランス語がしゃべれましたし。でも家に呼ばれて行くとそこに必ず好奇の目をもった数人の人たちがいるんですよ。当時日本人は2組くらいでしたから。それはそれは珍しがられましたよ。
純子さん:
電車に乗るとけっこうジロジロ見られました。パリじゃそういう経験はもうないですけど、リールやバレンシエンヌではありましたね。
足立:
地元に行くと貢献者ということで新聞にいっぱい載るんですよ。僕は会社の命令で来ているだけなんですけど、一応小さな組織ながらも代表者という役割でしたから有名だったんです。きっと有名人を呼びたかったでしょうね。
菊地:
子どもは現地の学校に行っていたの?
純子さん:
下の子はリールにあった現地のインターナショナルに入れたんです。高校1年から3年まで。数学は英語、社会はフランス語という感じで授業はややこしかったみたいです。
足立:
この前のアフリカ会議で、娘の会社の副社長がガボンの大統領と対談することになって、誰かフランス語できるやつはいないかという話になったらしいんです。たまたまできる人が出張でいなくて、あれよあれよというまに娘のところまで話がきたみたいで、3日くらい前から猛勉強してましたよ。それでガボン政府のインターネットに載っちゃって。うまいフランス語だな〜と思っていたら娘でした。
菊地:
すごいね。二人はフランス語をどこで覚えたの?
足立:
僕はベルギーに行った時は全然できなかったんだけど、総務の仕事だったから。掃除とか学校のお手伝いとか病院に行く奥さんの付き添いとか雑務庶務を全部やるわけです。そこで仕方なく。学校に行ってるわけじゃないから全然アカデミックじゃなくてストリートですけどね。しゃべっているうちに自然と覚えました。
菊地:
フランス語をマシンガンのような早口で話すよね。英語も日本語もだけど。
足立:
昔学生の頃スペインでプロのシンガーをやっていましてね。サラマンカというところで。ただ金稼ぎのために道端で歌っていただけですが。
菊地:
大学都市だね。
足立:
サラマンカ、マドリッドで1年くらいプラプラしているうちにスペイン語ができるようになって。それとフランス語が似ているんです。だから人よりも早く覚えたというか。でもうちの奥さんは頑張った。
純子さん:
ベルギーに行った時は私も全く分からなくて。大学もドイツ語専攻でしたし。でも上の娘がまだ1歳で体が弱くてね。熱を出しちゃって。夫も出張でいないですし、向こうは病院でアポイントを取らないと診てもらえないですから、必要に迫られて勉強して覚えましたね。
菊地:
そうなんだ。エライ。
純子さん:
外にも出られないし学校にも行けないから、子どもが寝た後に勉強してました。週1回先生に来ていただいて3年間。帰る頃には困らなくなりましたけど。次にパリに行った時は子どもたちも大きかったですし、幼稚園と学校に送ってから大学で3年くらい勉強しましたね。そのあと日本に帰ってから絶対フランス語で仕事したい!と思って、そこでユニフランスというフランス映画の仕事をしたんです。
[ユニフランスでの仕事]
足立:
おかげでソフィー・マルソーに会えたんだよな。
純子さん:
そうなの。ちょうど横浜フランス映画祭を立ち上げるっていう前の年だったんですよ。横浜出身ということもあり採用されて、立ち上げ前の準備期間の1年間と、1回目と2回目の映画祭で仕事をしました。
菊地:
じゃその時は日本に帰ってきてたんだ?
純子さん:
はい。ユニフランスで3年くらい仕事をして、それから在日フランス商工会議所というところで4年くらい仕事しました。そこは日本に進出しているフランス企業のための商工会議所で、色々なイベントを企画したりミッションを受けたりと非常に面白かったですよ。フランスとのつながりもできましたし。日本に進出しているフランスの企業トップとのつながりもできました。
そしたらリールのバランシエンヌに行くことになってしまって。辞めたくなかったけど辞めたんです。でもその時すでにリールとのつながりが出来ていたからリール商工会議所で2年くらい仕事をして、次にパリに行くことになったときもつながりからパリの商工会議所で3年くらい仕事をしましたね。
菊地:
1回も途切れてないんだね。
足立:
仕事の見つけ方がたいしたもんだよね。
純子さん:
そしたら今度は日本に帰ることになって。でも嫌だったので残ったんです。
菊地:
一緒に帰らなかったんだ!?
足立:
3ヶ月くらい独身で過ごしましたよ。もっと楽しいかと思ったら意外とつまらなかった。リールとパリで1年半くらい離れていた時は毎週末に会っていたんだけど。でも毎日会っているよりは盛り上がるよ(笑)。
(
第3回につづく
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